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朝というご馳走を味わえるひとは、幸せの作り方を知っている

朝はやく目覚めるのが、とにかく苦手だ。 それが一体いつからそうなったのかはわからない。だけれど、物心ついた頃にはすでに、”朝早く起きる”という行為とは、犬猿の中だったように思う。 「早起きは三文の得」と何度も教えてくれた親に対して「そんなの、信じるもんか」とはすに構え、部活の朝練も、友達との待ち合わせも、とにかくギリギリまで眠っていた

#61 1日が24時間のわたし。1日が1秒な彼【カンボジア・シェムリアップ】

「なんでそんなに元気なの?」 カラン、とグラスの中の氷が鳴った。 時計は深夜1時を指している。町が眠る気配はまだ微塵もなく、青や緑の光が手のひらの色を慌ただしく変え、遠くではリズミカルな音楽が聞こえていた。 わたしは、笑顔のはじけるカンボジア人が経営する(本当に、きっとこんな時にこの表現を使うのだろう。彼の笑顔は、それほどまでに眩しかっ

#60 交差した視線は、とろけるような少女の笑顔に吸い込まれていった。【カンボジア・シェムリアップ】

「支援活動」 気になるけれど、直視できない。何だかくすぐったいその存在は、10年前、わたしが世界一周を決意したくらいの頃から目の前をちらちら、横切っていた。 そのキッカケがなんだったのかは、思い出せない。だけれど、やれフェアトレードだとか、やれ青年協力隊だとか、そういう”類”の資料を集めては、机の隅っこに重ねていた。 自分のことさえ満足に

#59 埃をかぶった銃を手にした日。わたしとこの国は、少し似ているような気がした【カンボジア・シェムリアップ】

その国に馴染むことに精一杯な1度目。 1度目に目に入らなかったものたちが見えてくる、2度目。 そしてその国の、すこし深いところに触れることになる、3度目。 2年ぶりに訪れたカンボジア・シェムリアップの暖かい、東南アジア特有のもあっとした空気は何だか日本の沖縄に似ていて、わたしの体は拍子抜けするほどするりと、すぐにこの国を受け入れた。 トゥクト

#58 心地よい街にさよならを告げ 【カトマンズからポカラへ】

旅が長くなればなるほど、次第に服が解けていく感じがたまらなく好きだ。 腰の所にあるリボン結びをきちっと整えて履いていたスカートは、ある日を堺にゆるっとした、赤と青の花柄を纏った派手な柄のパンツに変わる。 お気に入りのニューバランスはノーブランドの突っかけサンダルに、首まできゅっとお利口にしまっていたシャツは、だるだるのタンクトップに変