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趣あるバスに揺られていざ、マレーシアへ【タイ・プーケット】

by 古性 のち


朝方から見送ってくれたオーナーに「さよなら」と告げると、もう一度「またおいで」と笑ってくれる。


そんな風に笑われたら、きっとまた来ちゃうんだろうな。
今度はひきこもらないでちゃんと、観光もしよう。

***

翌朝プーケットからマレーシアまでは、陸路を諦めて空路で移動することになった。

もちろん陸で続いているからバス移動も可能だったのだけれど、地元の方に「それだけはやめた方がいい」と何度も止められ、泣く泣くチケットはキャンセルすることにしたのだ。

調べてみると私の泊まっているプーケットの中心街から空港までは、ネットの情報によるとタクシーで約1時間、1000円~1500円ほどかかるらしい。

タクシーは便利だけれど高いし、値切り交渉にとても体力を奪われるから、極力使いたくない。道路に目をやると、ピンクや青のかなり趣のあるバスが沢山走っているのが見えたので

「空港までいきますか?」と窓から聞いてみると

「20バーツ」とジェスチャーされる。日本円にすると約100円。

うんうん、と頷くと、運転手とは別の男性が荷物を持って中にいれてくれた。

足を踏み入れると、ふんわりと木の香りが私を包んだ。
何だか、小学校の教室の、空気感に似ている気がする。

荷物を降ろして座っても、いつまでもバスが動かない。いつ出発するのかと尋ねると

「決まっていない」との回答。

出発するまでの飛行機までは3時間もあるし、まあきっとどうにかなるだろう。

この国では時間に焦ったり、怒ったりしてはいけない。だってその分無駄だから。

この2週間で、わたしが学んだことだった。

***

いたるところで止まっては発車する。ガタガタと揺れるバスに乗り、空港に着いたのは出発の40分前だった。

「Where should I go?(この後どこへいけばいいの?)」

空港に着くたび乗り方がわからず、繰り返しわたしが使ってきた言葉で、みんな困ったように失笑しながら助けてくれる魔法の言葉。

本当にギリギリだったので、この言葉を水戸黄門の紋所のように色んな人にぶつけながら、わたしが飛行機に乗ったのは出発の10分前だった。

席に着き、長らく過ごしてきたタイの国を慌ただしく離れる。

本当に2週間しかいなかったのか、疑いたくなるほどの濃い時間。

バンコクも、ピピ島も、プーケットも、もう一度訪れたい。

この国で出会った人たちにそっとさよならを告げて、

まだ充電されきっていない心と一緒に、マレーシアへと向かった。





古性 のち
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