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「ハリオーム」から「モイモーイ」へ【フィンランド・ヘルシンキ】

by 古性 のち

インドのリシケシュを後にして、次にわたしが選んだ場所は「フィンランド」だった。

「なんでそんなところに!?」と言われてしまうほどに、この地からダイレクトに行く人は少ないのだけれど
そんなことはどうでもよくて、わたしはもっと寒くなる前に、とにかく憧れのムーミンとかもめの港町、ヘルシンキにはやく行ってみたかったのだ。

午後20時。コペンハーゲンを経由してたどり着いたフィンランドはインドと違ってとってもとっても寒くて
思わず目以外のすべてを手当たりしだいの方法で覆った私の手元の温度計は、ー6℃を指していた。

おしゃれな看板やカフェ。
近代的な空港の作り。
颯爽と歩いていく人々。

今まで回っていたアジア圏とは、打って変わっての景色にすこし、戸惑ってしまう。
空港に流れてきた大きなバックパックを受け取り、電車を探す。

事前情報によると、フィンランドには主要都市をつなぐ「電車」と街中を走る「トラム」という乗り物があるらしい。

わたしは空港から直通の駅のホームに降り、「トラム」に乗れるであろう街中まで行くことにした。

単純なはずの、だけれどわたしにとっては難しい駅の作りに戸惑いながら
最寄りの駅であろう場所に着くころにはもう外は真っ暗で。
なんとか今日の宿に到着したのは、空港を出てから3時間後のことだった。

長距離移動の疲れに、強烈な寒さと、静まり返った街中の雰囲気も相まってか、なんだか心がしんとする。
ザクザクと足元で割る氷の音を聴きながら、今夜泊まるちいさなホステルの透明なドアをきいっと押す。

「モイモイ!」

ふわっと暖かい部屋の中にある受付から、なんだか聞いたことのない言葉と、笑顔が飛びこんできた。

モイモイ?

可愛らしいひびきに、寒さで凝り固まった顔がゆるくほころぶ。
もしかしてこれが、フィンランドのあいさつなのかな?

ちいさく「モイモイ」と返すと、向こうもにっこりと笑いながら”Nice to meet you”と付け足してくれた。

* * *ドミトリーのベッドに荷物を置く頃には、すでに日をまたいでいることに気づき、慌てて眠る準備にはいる。
ふと窓の外に目をやると、大粒の雪がちらほらと、地面を覆い始めていた。

ふとお腹が空いていることに気づいて、部屋の隣のキッチンへ向かう。
こういうホステルでは、共用のフリーフードがあることがお決まりで
冷蔵庫を探していると、「FREE!」とかかれたジュースをみつけた。

取り出してみると、なんだか自分にそっくりの、キツネが描かれている。

何味がよくわからないけれど、パッケージのかわいらしさがなんだか北欧ならではで、
ああ。本当にまったく違う町にきたんだな。と、こんなところで改めて実感する。

さあ冒険に備えて、はやめに眠ってしまおう。

一体この町でどんなワクワクに出会えるのか、憧れの地ヘルシンキは、わたしの心をとてもワクワクさせていた。





古性 のち
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