LOG IN

今こうしてここにいるのは、あなたが「おかえり」と言ったから【日本・1ヶ月目】

by 古性 のっち

「もう旅にはいかないの?」
何度も何度も繰り返し問われた言葉だ。その度にうーんと、言葉を濁してきた。

その土地に暮らすようにとどまる、生活と旅の境界線が曖昧になるくらいの旅が好きだ。
非日常だったことが日常になる感覚が好きだ。
食べたことのないご飯に挑戦する瞬間も、ゾワッと全身を包む異国の匂いも
全部好きだ。

この気持ちを言葉にして伝えたいのに、拙い言葉しか浮かばなくて伝わらない。もどかしい。
いっそ現地に引っ張っていって、みんなに伝えたい。

「旅って最高なんだから!」と。

「旅をしながら仕事をしたい」は、わたしのかねてからの夢だった。
そのビジョンの中のわたしは「日本と世界を行き来する」のではなく、常に国から国を自由きままな猫のように渡り歩いていた。

心に思い描くたびに気持ちがワクワクざわめいて、この10年、わたしを確かに支えてくれていた。

そして今、望めばそれができる環境にいる。
だけれどわたしは、日本の実家でぬくぬくと、この記事をしたためている。

その理由はものすごく簡単だ。

手を離したはずのあなたが、私に向かって再び「おかえり」と言ったからだ。

そしてわたしも、旅続けることより、あなたの隣にいることを、「選んだ」から。

旅を続けることも、続けないことも、どちらも手にしたうえで決めた。わたしは、選択したのだ。

恋なんて、曖昧なものかもしれない。
この気持ちは、一時的なものかもしれない。

それならばと、1度解けてしまったリボン結びを、「隣にいる」という手段で、固く固く、わたしは固結びすることにした。

なのに
「勝手にどっかいけよ」
とかあなたは言うし、フラフラしてるから、きっとどこかへ出ていくことも、多いと思うよ。
「旅」自体はやめない。やめられない。諦められない。
だってわたし、みたい景色がまだまだたくさんある。

だけど今度する「旅」は、きっとちゃんとリミットがある。
そしたらするする解けることはなくて、遠くに行こうとしたら、ぐんっと引っ張られて止まるから安心してね。

ちゃんと、目の届く範囲にいるよ。
ちゃんと、振り返りながら戻ってくるよ。

何が書きたかったかって。つまるところ、これはわたしから君への、単なる公開ラブレターなのです。

今度長期で旅に出るときは、あなたも連れていくから、覚悟しといてね、よろしくね。

…また怒られるな(多分)



古性 のっち
OTHER SNAPS